先日、輪西地区の「サロンぷらっと」にて、防災研修会の講師を務めました。本記事は、当日使用した投影資料の要点を、参加者の皆さまの振り返りと、地域での備えの共有を目的に整理したものです。
研修のねらい
災害は「知っている」だけではなく、「すぐ動ける」ことが命を守ります。今回の研修では、輪西地区で想定される災害の特徴を踏まえ、発災直後の行動、土砂災害の前兆、避難先の確認、誰と逃げるかの事前合意、日頃の備えまでを、できるだけ具体的に確認しました。

背景
輪西地区で想定される主な災害
- 地震(内陸・沿岸型)
- 津波(最大想定10m級)
- 土砂災害(高台住宅地など)
地域の地形や居住状況により、注意すべき災害が異なります。まずは「自分の生活圏で起こり得る災害」を前提に、備えと避難行動を組み立てることが重要です。
課題
発災直後に迷うと、初動が遅れる
地震直後は情報が少なく、判断が遅れがちです。特に火気、屋外の落下物、避難のタイミングなどで迷いが生じると、危険が増します。(やさしい言い換え:迷っている時間がいちばん危ない)
土砂災害は「前ぶれ」を見逃しやすい
土砂災害は突然のように見えて、前兆が出ることがあります。しかし、日常の音や変化に紛れて見逃されやすいのが実情です。(やさしい言い換え:いつもと違うサインに気づきにくい)
避難先と所要時間を把握していない
避難所や避難場所の「場所を知っている」だけでなく、「自分の足で何分かかるか」まで確認していないケースが少なくありません。(やさしい言い換え:行き方と時間がわからないと、いざという時に動けない)
「誰と逃げるか」が決まっていない
家族、近所、外出時など場面ごとに、合流方法や連絡手段が決まっていないと、避難の遅れや取り残しにつながります。(やさしい言い換え:一緒に逃げる約束がないと探してしまう)
選択肢(研修で確認した具体策)
地震時の行動:まず身を守る
- 揺れたら「まず身を守る」
- 火を消すのは揺れが収まってから
- 屋外避難は落下物に注意
地震の揺れを感じたら「すぐに実行することが極めて重要」であることを共有しました。
命を守る「3秒ルール」
研修では、地震の揺れを感じた瞬間に、反射的に身を守る行動へ移ることを「3秒ルール」として確認しました。
- 姿勢を低くする
- 頭部を守る
- 危険なもの(落下・転倒)のそばから離れる
(やさしい言い換え:揺れたら、すぐ「かがんで、あたまを守って、危ないところから離れる」)
土砂災害の前兆を知る
- 山鳴りや立木の裂ける音
- 川の濁り、流木、水位の急な低下
- 地鳴り、斜面からの湧き水、地割れや陥没
- がけからの小石の落下、土や木の腐ったような臭い
(やさしい言い換え:音、水の変化、地面の割れ、においなど「いつもと違う」が出たら要注意)
土砂崩れ時の避難:水平避難と垂直避難
状況により、避難の考え方が分かれます。
- 水平避難:危険区域から離れて、安全な場所へ移動する
- 垂直避難:遠くへ移動が難しい場合に、建物のより安全な階・場所へ移動する
(やさしい言い換え:外へ逃げられるなら離れる。無理なら建物の中でより安全な場所へ移る)
どこに逃げるか:防災マップと「何分で行けるか」
- 避難所・避難場所を防災マップで確認する
- 避難所まで「何分で行けるか」を事前に確かめる
特に冬期や夜間、体調不良時、介助が必要な場合は所要時間が大きく変わります。可能であれば複数ルートを想定しておくことが有効です。(やさしい言い換え:行き方を一つだけにしない)
誰と逃げるか:家族・近所・外出時で分けて決める
- 家族と事前に話し合っているか
- ご近所・友人と声を掛け合える関係になっているか
- 外出時の合流場所・連絡手段はどうするか
「助けを求めること」「声を掛けること」も、立派な防災行動です。(やさしい言い換え:ひとりでがんばらない)
日頃の備え:最低限を「使える形」で
- 飲み水、その他の水、食料
- カセットコンロ、暖房類
- トイレ(見た目は変化なくても配管はどうか)
- 薬(そのまま持ち出しできる形に)
- 持ち出し品(リュック):自分に何が必要か、近くに置く
- 家具の固定、滑り止め
ポイントは「そろえる」より「すぐ持って出られる」「実際に使える」状態にしておくことです。(やさしい言い換え:買って終わりにしない)
介護予防(頭と体を元気に)
研修の最後に、日常の健康づくりも災害時の行動力につながる観点から、介護予防の重要性にも触れました。避難行動は体力・判断力に左右されるため、平時からの健康維持は防災の基礎になります。(やさしい言い換え:元気でいることも備え)
留意点
地域差と個別事情を前提にする
同じ「輪西地区」でも、海側・高台・居住環境、同居家族の状況、持病や介助の必要性により、最適な避難行動は異なります。本記事は研修資料の要点整理であり、各世帯で「自分事」に落とし込む作業が不可欠です。
避難は「情報」より先に「行動」が必要な場面がある
地震直後など、情報を待つことで危険が増す局面があります。まず身を守り、次に安全確認を行い、状況に応じて避難判断へ移る、という順序を共有しておくことが重要です。
トイレと薬は生活継続の要
特にトイレは、見た目に問題がなくても配管損傷があり得ます。薬も「取りに戻る」行動が危険を伴うため、持ち出し可能な形での備えが有効です。
まとめ
今回の研修で強調したのは、「想定される災害を知る」「初動を体に覚えさせる」「避難先と所要時間を確認する」「誰と逃げるか決める」「備えを使える形にする」の5点です。防災は特別なことではなく、日々の暮らしの中で具体化できます。地域の皆さまと、引き続き実践的な備えを進めてまいります。
この内容が使える場面
- 自治会・サロン等の防災学習会の配布資料(要点整理)
- 市民向け周知(初動・避難・備えの基本)
- 議会質問の論点整理(地域特性を踏まえた避難行動と備蓄)





