早く気づくことは、「早く諦めること」ではありません
「まだ小さいから、そのうちできるようになりますよ。」
発達について相談した保護者が、このような言葉を掛けられた経験は少なくありません。
もちろん、子どもの発達には個人差があります。
成長のスピードは一人ひとり違います。
しかし、その一方で、
「もっと早く相談していればよかった。」
「もっと早く支援につながっていれば…。」
という保護者の声も、私はこれまで数多く聞いてきました。
私は看護師として医療の現場で働き、その後、スクールソーシャルワーカーとして高校で生徒や保護者の支援にも携わってきました。
その経験から強く感じていることがあります。
それは、
早く気づくことは、子どもの可能性を狭めることではなく、可能性を広げることだ
ということです。
診断はゴールではなく、支援のスタートです
「発達障がい」と診断されることに、不安を感じる保護者は少なくありません。
「できれば診断を受けさせたくない。」
「個性だと思って見守りたい。」
その気持ちは、親としてごく自然なものだと思います。
私も多くの保護者と関わる中で、その葛藤を目の当たりにしてきました。
だからこそ、私は保護者を責めるつもりは全くありません。
しかし、医療者としてお伝えしたいことがあります。
それは、
診断は、子どもにレッテルを貼るためのものではない
ということです。
診断があることで、
- 子どもの特性を理解しやすくなる
- 適切な支援につながる
- 学校との情報共有がしやすくなる
- 保護者も子育ての方法を学ぶことができる
つまり、診断は「終わり」ではなく、「支援の始まり」なのです。
5歳頃は、子どもの特性が見えやすくなる時期です
子どもは成長とともに、集団生活の機会が増えていきます。
5歳頃になると、
- 友達との関わり
- 集団での活動
- 先生の話を聞く力
- 気持ちの切り替え
- 生活習慣の定着
などが求められるようになり、発達の特性が見えやすくなります。
そのため、多くの専門家が5歳児健診の重要性を指摘しています。
一方で、健診を実施するには専門職の確保や予算など、自治体が抱える課題もあります。
簡単に導入できるものではありません。
それでも私は、子どもの将来を考えたとき、早期に気づき、必要な支援につなげる仕組みは非常に重要だと考えています。
高校生になってから見えてくる現実
私は室蘭市内の高校で、スクールソーシャルワーカーとして勤務した経験があります。
高校で出会った生徒の中には、
「もっと早く支援につながっていたら」
と思うケースが少なくありませんでした。
例えば、
- 小学校時代から学校生活に苦労していた
- 勉強はできるのに友達との関係で悩み続けていた
- 「努力不足」と誤解され、自信を失っていた
- 不登校や進路への不安を抱えていた
もちろん、高校生になってから支援を始めても遅すぎるということではありません。
支援は、どの時期から始めても意味があります。
しかし、幼少期から特性を理解し、その子に合った支援を受けながら成長できれば、学校生活や社会生活の中で経験する困難を減らせる可能性があります。
子どもを変えるのではなく、環境を整える
発達障がいの支援で大切なのは、
「子どもを普通にすること」
ではありません。
大切なのは、
子どもの特性を理解し、その子が力を発揮できる環境を整えること
です。
例えば、
- 分かりやすい説明をする
- 安心できる居場所をつくる
- 得意なことを伸ばす
- 苦手なことを周囲が工夫して支える
こうした積み重ねが、子どもの自己肯定感を育みます。
支えるのは、子どもだけではありません
発達障がい支援では、子どもへの支援だけでなく、保護者への支援も欠かせません。
子育てに悩み、
「私の育て方が悪かったのではないか。」
と自分を責める保護者にも、多く出会ってきました。
しかし、発達障がいは育て方が原因ではありません。
保護者が孤立せず、相談できる場所があり、専門職と一緒に子どもの成長を考えられることが大切です。
子どもの可能性を信じるために
私は、議会でも発達障がい児支援や5歳児健診、乳幼児健診後の支援、教育と福祉の連携について継続して提案してきました。
その根底にある思いは一つです。
子どもの未来は、「診断名」で決まるものではありません。
周囲がどれだけ早く気づき、
理解し、
支え、
その子の力を信じて関わることができるか。
その積み重ねが、子どもの将来の選択肢を広げていきます。
私はこれからも、看護師として、そしてスクールソーシャルワーカーとして現場で学んできた経験を生かしながら、
「子どもたち一人ひとりの可能性を大切にする室蘭」
を目指し、議会活動を続けてまいります。






