災害時、“逃げられる人”だけを守る防災でいいのか
地震や津波、大雨などの災害が起きたとき、私たちはよく「すぐ避難してください」と呼びかけます。
もちろん避難は大切です。
しかし現実には、
「すぐに避難できない人」
が地域には数多くいます。
- 高齢で足腰が弱くなっている方
- 独り暮らしの方
- 認知症のある方
- 障がいのある方
- 医療機器を使用している方
- 小さなお子さんを抱える家庭
こうした方々をどう守るのか。
それを考えることが、本当の防災ではないでしょうか。
「避難できる人前提」の防災になっていないか
室蘭は坂道も多く、冬は雪や凍結もあります。
健康な大人でも避難が大変な地域があります。
まして、
- 車いす利用者
- 酸素を使用している方
- 認知症高齢者
- 寝たきりの方
にとっては、避難そのものが大きな負担になります。
また、避難所生活も簡単ではありません。
避難した後に起きる現実
避難所では、
- 薬が足りない
- トイレが使いにくい
- 周囲に気を使って眠れない
- 認知症の症状が悪化する
- 介護する家族が疲弊する
といった問題が起こります。
つまり、防災は「逃げるまで」ではなく、
「避難後の暮らし」
まで考えなければなりません。
地域のつながりが、命を守る
災害時に本当に力になるのは、地域のつながりです。
- 隣近所で声を掛け合う
- 普段から顔を知っている
- 避難支援が必要な人を把握している
- 地域で見守りをしている
こうした積み重ねが、災害時に命を守ります。
防災は、特別なことではありません。
普段の地域づくりそのものが、防災につながっています。
「支える側」だけではなく、「支え合える地域」へ
私は看護・介護・福祉の現場に長く携わってきました。
その中で強く感じてきたのは、
「一人では限界がある」
ということです。
行政だけでも、
家族だけでも、
専門職だけでも、
災害時にすべてを支えることはできません。
だからこそ必要なのは、
「支える人」と「支えられる人」を分けるのではなく、
地域全体で支え合える関係をつくることです。
防災は福祉でもある
これからの防災では、
- 医療
- 介護
- 障がい福祉
- 子育て支援
- 地域コミュニティ
を一体で考えていく必要があります。
特に高齢化が進む地域では、
「災害弱者をどう守るか」
が防災の中心になります。
“誰一人取り残さない防災”を室蘭へ
災害は、いつ起きるかわかりません。
だからこそ、
- 家具固定
- 非常持出品
- 避難経路確認
- 家族との連絡方法
などの備えと同時に、
「地域で助け合える関係」
を普段からつくっていくことが重要です。
防災とは、単なる訓練や備蓄ではありません。
地域の暮らしをどう守るのか。
その視点が、これからますます大切になると感じています。
私はこれからも、防災士として、そして医療・介護の現場を知る立場として、
“逃げられる人”だけではない、
“誰一人取り残さない防災”
について取り組んでまいります。








